介護の仕事から、空き家の相談へ
高齢者向けの住まいに入居したあと、それまで暮らした家を誰が管理するのか。介護施設の運営を通じて空き家の問題を意識するようになった大石は、2018年5月に宅地建物取引業を始めた。富士ヶ丘サービスの代表であり、自らも宅地建物取引士として、磐田市・袋井市を中心に売買仲介や空き家の活用に携わる。
会社の不動産サイトには、家や土地を買いたい人が物件を探す入口がある。一方、大石が実家の相談で扱うのは、売ると決める前の段階からだ。家を残すなら管理をどうするか。貸す道はあるか。所有者と家の状態を確かめてから、家族が比べられる選択肢を整理する。
出典 本人の公式プロフィール「本業」 / 大石浩之の経歴 / 富士ヶ丘サービス・不動産公式
実家カルテで何が分かるか
「ふじがおか実家カルテ」は、価格の目安、先に確認すること、次に取れる行動を一つの資料にしたもの。見本では、登記上の所有者や、土地と建物で名義が違わないかといった項目を読める。値段を知りたい家族にも、片付けの順番で迷っている家族にも、何が分かっていて何が未確認なのかを整理する手がかりになる。
実家について、家族が最初に持ち寄るもの
見付の事務所には、椅子を挟んで資料を広げられるテーブルがある。「実家カルテ」のサイトが最初に案内するのも、この相談場所と担当者の顔だ。親が施設に移った家、相続した空き家、宅地と農地がある家。公開された三つの見本では、同じ形式の資料でも、家族の事情によって最初に確かめる欄が違う。

写真出典 富士ヶ丘サービス「ふじがおか実家カルテ」

写真出典 富士ヶ丘サービス「ふじがおか実家カルテ」
たとえば親が施設に入った家の見本では、資料で確認した所有者や道路の状況と、家族に聞く本人の意向や家財の扱いが別々に書かれている。見本に出てくる価格は説明用の架空の金額だ。金額より先に「何を根拠に書いたか」「次に誰と何を確かめるか」を追うと、大石が家族に渡す資料の使い方が見えてくる。